2006年4月、事業創造のスペシャリストを育成する事業創造大学院大学が新潟に誕生します。MBA(経営管理修士)の取得にとどまらず、起業家教育から 起業のサポートまで行うのは日本の大学院では初めてのことです。新潟で動き出したこの新たな試みについて、新潟県の泉田裕彦知事と事業創造大学院大学の池 田弘理事長が語り合いました。

「地域の財産を十二分に生かしてもらいたい」
県も起業活動を積極支援
| 池田 ただ、総じて見ると新潟の経済は低迷しています。これを私たちはなんとかしていきたい。 |
| 泉田 新潟県もそ のための政策を北欧型の知識国家の経済運営をモデルに進めています。北欧では教育や福祉の環境整備が優先されているイメージがありますが、現実は事業活動 が先です。企業活動がうまくいっているからお金が福祉や教育に回る。この循環を支えているのは行政で、法人税を安くするなどして成長が期待できる企業が利 益を上げられるフレームワークをつくっていた。だから一時のマイナス一〇パーセント成長という苦しい時期を乗り越えることができたのです。 |
| 池田 北欧型の経済運営を手本にして、新潟では行政が起業活動を積極支援している。これは起業を目指している人にとっては心強いことです。 |
| 泉田 起業精神にあふれているといっても、新潟は東京や大阪などの大都会と離れた場所にある地方都市です。活性化のためには、成長が期待できる企業が利益を上げられるフレームワークづくりは不可欠なのです。 |
新潟に大きなチャンスがある
| 池田 活性化のためには、自分の頭で利益を上げるアイデアを生み出すことのできる人材の育成も大事です。私たちはその重要な役割をぜひ果たしていきたい。 |
| 泉田 そこは大い に期待しています。もともと新潟には、新幹線、空港、港湾などインフラはなんでも揃っています。国内全体の食料供給を支える農業もあるし、優秀な地場産業 もある。地理的にいっても、成長著しい中国やロシアなど大陸との貿易では実質的な表玄関になっています。ところが、いまはこれらの施設や産業、地理的条件 が十分に生かされてはいない。こういう地域としての財産をうまく生かす人やアイデアが出てくることを期待しています。 |
| 池田 いまあるものがうまく生かされていないというのは、そこに大きなビジネスチャンスがあるということです。いまの新潟は本当に、新しい事業を起ち上げるのに適した、やりがいのある場所だと思います。 |
| 泉田 起業の意欲を持った人たちには、こういう環境を上手に使ってもらいたい。従来からある企業と協力したり、ときにはうまく利用し合いながら、新潟の経済を大いに刺激していただきたいと思っています。 |
| 池田 いまの話は単なる夢物語ではない。地域の期待に応えて最高の結果が出せるように私たちもがんばります。 |
「起業資金を支援する画期的なファンドを準備」
資金ゼロでも夢が実現する
| 泉田 起業家教育もそうですが、起業支援にも期待しています。 |
| 池田 事業創造大学院大学の最大の魅力は、優秀な事業計画に資金を援助する制度があることです。これは担保を必要としない、純粋にアイデアに対して投資を行う画期的なファンドです。お金がない人でも起業ができるので、アイデアに自信のある人にぜひ挑戦してもらいたいと思います。 |
| 泉田 新潟県も地域の持つ潜在能力を引き出す「夢おこし」の環境づくりを積極的に進めています。意欲を持った人たちが、地域として持っている潜在能力を十二分に生かし、新潟の経済を大いに刺激してくれることを願っています。 |
| 池田 私たちもぜひそのお手伝いをさせていただきたいと思います。 |
