スマートシティ・スーパーシティ(IoT/AIを活用してインフラの効率的・効果的な管理を実現した都市)の先進事例研究と日本への応用可能性を考えます。
IoTの活用やテクノロジーによる行政経営は日本よりも他国の方が圧倒的に進んでいます。
中国、ドバイ、アメリカのスマートシティ・スーパーシティを中心に具体的事例とその背景、日本への適合可能性を考える必要性があると思っています。
(1)2019年度
第1回月例会 (6/23)「中国・日本の先進事例から学ぶ、スマートシティの応用可能性」 (アクセンチュア株式会社 シニア・マネジャー 村重慎一郎さんを講師に)
第2回月例会 (10/19)「世界のスマートシティの現状と課題」(東京大学生産研究所 柴田重臣さんを講師に)
(2)2020年度
第1回月例会 (10/7)「スマートシティと応用可能性」 (シンクライアント総合研究所 取締役、奥野克仁さんを講師に)
第2回月例会 (3/17)「個人情報保護」(中央大学教授、宮下紘さんを講師に)
(3)2021年度
第1回月例会 (10/6)「教育のみらい~DXとAIで課題は解決するのか?」
日時 | 2019年6月23日(土) |
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場所 | 西新宿会議室 |
テーマ | 中国・日本の先進事例から学ぶ、スマートシティの応用可能性 |
目次 | ①中国のスマートシティ視察報告:研究員 西村健 ②講演:アクセンチュア株式会社 シニアマネージャー 村重慎一郎氏 |
中国のスマートシティについての視察報告をもとに、アクセンチュアの村重氏による会津若松市のスマートシティの事例を発表してもらいました。中国については本研究所の研究員の西村が、中国のスマートシティの先進的な事例をもとに紹介しましたが、今の中国のスマートシティ万能主義に対する警鐘、民主主義の概念が侵害されないかの懸念やリスクが明らかになりました。
会津若松市の事例においては、アクセンチュアの市民中心のスマートシティがどういうものであったのか、その長年の積み重ねが今の成果を出していることが共有できました。市民中心のスマートシティ、デジタルによる問題解決という発想がベースになり、様々なスマートシティプロジェクトが花開いています。地元大学の会津大学との連携が本格的なこと、一体となって進んでいことを知ることができました。また、会津若松+という市民向けのポータルサイトでは、市民の悩みにデジタルで則解決することが可能になっています。「休日・夜間診療の病院探し」、「ごみの出し方」、「除雪車の運行状況」、「各種証明書発行手続きの方法」などの問い合わせが圧倒的に市民、行政両面で効率化しました。こうした実践的に結果を残しているアクセンチュアの取組みへの感嘆の声が聴かれました
日時 | 2019年10月24日(木) |
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場所 | 港区青山生涯学習館 |
テーマ | 先進スマートシティが抱える課題 |
目次 | データと民主主義における問題:研究員 西村健 ②講演:ネットワークエンジニア 柴田重臣氏 |
Google子会社のsidewalk labがトロントで行っているスマートシティ建設を中心に、ネットワークエンジニアで東京大学生産研究所研究員の柴田重臣氏による解説をしてもらいました。
データと民主主義については本研究所の研究員の西村が、人権やプライバシーがないがしろにされることへの怒りや不安vs利便性やインセンティブへの期待が相克する現状、データビジネスのマイナス面(信用格差社会)、GDPR(一般データ保護規則)について問題提起を行いました。
続いて、柴田氏からスマートシティの定義、種類、種類ごとの特徴、カナダのスマートシティSideWalk Torontoがこれまでどういった歩みを経てどういった課題に直面しているかを解説してもらいました。アメリカ、欧州、中東、中国、インドなどそれぞれが「スマートシティ」をどう位置付けているのか、進めているのか、経済政策や都市計画上の課題などを説明してもらいました。トロントでは「100%情報公開」と言っていたのに現実は違ったことが途中で判明するなど、データの取り扱いについての懸念がどのようにおこっていったのかを解説してもらいました。抽象的過ぎるマスタープランと説明責任、プライバシーの問題など本質的な問題を指摘いただきました。