事業創造大学院大学

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2021.07.24 お知らせ

誌上講義・会計を学ぶと視力が上がる? 准教授/公認会計士 鈴木 広樹

誌上講義・会計を学ぶと視力が上がる?

〈ダメ編集者と会計〉
私は本学で「財務会計論」という科目を担当していますが、私自身が会計を学んだのは社会人になってからです。大学生の頃の私は 新聞記者を目指していたのですが、就職活動で全国紙を片っ端から受けるものの、全滅。仕方なく第 2 志望の出版社に就職することになりました。
出版社では書籍の編集の仕事をしていたのですが、はっきり言ってダメな編集者でした。もともと目指していた仕事ではなかったためか、あまり身が入らず、仕事よりも仕事が終わった後のことの方が楽しみになる始末でした(会社が銀座にあったこともあり)。
しかし、数年ほど経ち、このままではヤバいと思うようになりました。そこで、現状を変えるために私が思い立ったのが、何か専門的なことを勉強するということでした(勉強は、現状を変えるための最も効率的な手段だと思います)。そして、何となく必要性を感じていた会計というものを選び、勉強し始めたのです。

〈公認会計士がつくった証券会社〉
会計の知識が身に付いてくると、それを仕事で活かしたいと思うようになり、転職することにしました。転職したのは、公認会計士が創業した、株式公開専門をうたう特殊な証券会社です。実は一部上場企業の経理も決まっていて、周囲からはそちらを勧められたのですが、証券会社を選びました。私は、損か・得かではなく、面白いか・つまらないかで進路を判断してしまうところがあります(そのため、ずっと貧乏なままです)。
その証券会社では、企業の審査やディスクロージャー支援の仕事をしました。多くの企業を見ましたし、多くの経営者にも会いしました。働き方は随分ブラックだったかもしれません。朝の始発で帰宅し、シャワーを浴びてすぐに出社ということもありました(今なら死にそうです)。しかし、やりたいと手を挙げれば、どんどん仕事を任せてもらえて、それがどんどん自分の力になるのが実感できました(仕事の力は、やはり仕事を通して最も身に付きます)。今思えば、充実した日々でした。

〈会計を学ぶと視力が上がる?〉
会計を学ぶことによって確かに現状を変えることができたのですが、変わったのは仕事だけではありません。見え方も変わりました。と言いましても、遠くのものや細かなものが見えるようになったわけではありません。企業の見え方が変わったのです。
言葉を持たない人間には世界がどのように見えるのか、想像できるでしょうか。想像できる方はいないはずです。もちろん私にも想像できません。言葉を持たないというのは、 そもそも人間ではありません。
会計はビジネスの言語と言われることがあります。現在の私には、会計を知らない人に企業がどのように見えるのか、想像できません。会計を知らなかった頃の自分に企業がどのように見えていたのか、今となっては思い出すことができません。しかし、会計を学び、それまで何かぼんやりとしていたものが、はっきりと見えるようになり感動したことは覚えています。

〈経理担当者こそMBAを(税理士試験一部免除の特典も) 〉
私は、既に会計の知識がある企業の経理担当者の方にもっと本学へ来てもらいたいと思っています。経理担当者が経営大学院で学び、その専門知識を体系化し、さらに幅を広げれば、どこでも通用する真のプロフェッショナルになれるはずだからです。ちなみに、修了生の中には、修了後、中小企業の経理部から上場企業の経理部へ転職を果たした方もいらっしゃいます。
所属する企業の仕事から得られる知識はどうしても偏ったものになりがちです。本学で財務会計、管理会計、ファイナンスなどを幅広く学ぶことにより、体系的な専門知識を構築することができますし、また、戦略、マーケティング、人事など経営科目も幅広く学ぶことにより、企業経営全般を見渡せる視野を身に付けることができます。現在1 . 0の視力が2 . 0以上になるはずです。
また、税理士試験の一部免除という特典もあります(かなり豪華な特典)。修士論文を会計研究とすることにより、税理士試験・会計科目の一部免除を受けることが可能となるのです。

准教授/公認会計士 鈴木 広樹
担当科目:財務会計論、企業倫理、演習Ⅰ・Ⅱ

早稲田大学政治経済学部卒。公認会計士。証券会社にて企業審査に従事。
『タイムリー・ディスクロージャー(適時開示)の実務』(税務研究会)、『検証・裏口上場-不適当合併等の事例分析』(清文社)、『適時開示実務入門』(同文舘出版)など著書多数。