現代自動車のロシア戦略車ソラリス(教授 富山栄子)

2011年01月12日

サンクトペテルブルグで、行ったついでに現代自動車のロシア戦略車ソラリスを調査してきました。

現代自動車はサンクトペテルブルグに2010年に工場の竣工式を行い、2011年1月から量産を開始します。現地適応化が得意な現代自動車がロシアの気候・ドライバーの特性をこれまで調査・研究し、ロシア市場にぴったりの車を開発したのがソラリスです。

ラダなどロシア国産車は品質がよいとはいえません。そうした国産車からの買替需要も狙っています。

量産される以前の2010年12月でしたので、まだディーラーの店頭にはソラリスは展示されていませんでした。しかし、サンクトの北にあるハイパーマーケット「Mega-Parnas」に展示されていると聞いて、行ってきました。
このハイパーマーケットには各種マクドナルドなどいろんなファストフードのお店が入っていました。TAKESHIという日本食のお店もありました。
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さて、これがソラリスです。
一言でいえば、寒さの厳しいロシアの冬を最大限に考慮した車です。

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たとえば雪道を考慮して、車底までの最低距離を16センチまで伸ばしています。さらに、湿気からさびないようにするために、車底にはさび止めが塗布されています。ウインドシールド・ワイパー結氷防止装置と急制動警報装置、前部座席加熱装置、結氷防止外部ミラー等が装備してあります。そしてそれらの熱源として強力なバッテリーが装備されているなどです。

ウインドシールド・ワイパー結氷防止装置は冬のロシアにおいて、ドライバーが望んでいる大切な機能だそうです。なぜならばマイナス10度以下の厳寒期に、長時間、外に車を駐車しておくと、ワイパーが凍結し、動かなくなります。また、ワイパーが動いたとしてもフロントドアが曇りやすくなります。その対策として、ウインドシールド・ワイパー結氷防止装置が、フロントガラスの近辺を暖めて、凍結を防止する仕組みになっています 。こうした細やかなところまで現代自動車は目が行き届いています。

現地が望む機能を安価な価格で実現しているところが、現代自動車の競争優位です。

さらに、現代自動車には抜群のマーケティング力がありました。

この点につきましては、「ロシアにおける現代自動車のマーケティング戦略」という論文を本日脱稿しました。2011年2月15日にERINA REPORTで掲載されます。

さて。トヨタのロシアのディーラーらは、「ターゲットが違う」「競合しない」「うちは富裕層が相手。現代自動車は大衆車」と言って、全く現代自動車は競争相手ではないと、脅威は感じていませんでした。

一方、現代自動車のディーラーらの話では、12月だけでもすごい人気で、サンクトペテルブルグだけでも1,000台以上ソラリスの成約があったとのことです。

新興国での競争優位がvalue for moneyなのかどうか、これからのロシア自動車市場でソラリスがどれくらい売れていくのか、興味深く見守っていきたいと思います。

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